名曲「生きろ」

最初に投稿する記事を何にするか迷いましたが、シングルでは1.2を争うくらい好きな曲なので、最新シングルということもあり、「生きろ」について書くことにします。


出だしのシゲのパート。

ここで出てくる"紐"というワードがとても深いなと思うのです。

運命の糸とか、見えない繋がりを表す言葉って、"紐"よりも"糸"って単語が使われるイメージなんですよね。

実際の"紐"と"糸"の定義の違いって、恐らく素材の違いっぽいのですが、私のイメージ的には"糸"というのは細い一本で、"紐"はその細い糸が何本も絡まりあって出来た太いロープ状のものを思い浮かべます。"運命の糸"が絡まって出来た"絆"という紐が結ぶ繋がり。

それを思うと、MVもとても良く出来た深い映像だなと底抜けな魅力を感じます。


「来た道と行く先」つまり、過去と未来。

過去も現在も未来も、いつどんな時も人はその"紐"と結びついて絡まっている。


続くテゴちゃんパートの「この歌をその夢を」。"歌""夢"というパートをテゴ割にしてるあたりギュッと重み増すし、"この歌""その夢"ということは、"その夢"を持つ誰かのために、別の人が歌う"この歌"ということ。

紐の先の誰かが、反対側の誰かに歌う歌。


「果てない闇に向かって飛ぼうとして」た青春時代の「笑えるほど愚かで泣けるほど愛しい過ぎし日は青春」

ここのまっすーパートは、ゼロのカズヤ編を見てから更に好きなパート。

ゼロを恨んだカズヤ。でもそれが"笑えるほど愚か"だとどこかで分かっていた。それでも誰かにぶつけるしかなかった悔しさ。そんな愚かな自分に対して、殺そうとした自分に対して、「また一緒に泳ごう」と言った更に愚かで愛しいゼロ。そんなゼロに「生きろ」と返せるくらいには、"過ぎし青春"を"愛しい"と思えていた自分に気付く瞬間。

ネタバレして良いのか分からないので詳しくは書けませんが、カズヤはほんの少し違う捉え方が出来れば、ドリームキングダムに来ることもなく幸せになれた人じゃないかと思うので余計に切なく苦しくなる。

山口カズヤ編の全てが詰まった、"愛しい"一節。


サビ

"0"と書いて"ドン底"と読む歌詞ですが、実はこの"0"、最後のサビでは数字通り"ゼロ"と読みます。今回に関しては文字数の問題にも思えなくはないのですが、同じ漢字を違う読み方で歌詞に盛り込んでくるのが、とてもヒロイズムさんらしいし、ヒロイズムさんの曲がどれもNEWSに合う神曲になる要素の一つかなーなんて思ったりします。

言葉選びも、"授かった命"とか"燃え尽きるまで"とか、命に対する言葉の中でも、ちょっと詩的で綺麗な言葉がチョイスされてて、より胸にぐっとくるものがあります。


この曲の本気は二番‼︎(だと思ってる)

兎にも角にも、歌割が大きい‼︎

今までにも引っかかった記憶があるので、たぶん1番の中で誰かがソロで歌ってないままサビに入る(代わりに二番最初に歌う)みたいな歌割は片手で数える程にしろあったと思うんだけど、誰かが歌わない、ではなくて完全にハモに回るっていうのは初めてじゃないかな? それだけ、コヤシゲの歌のレベルも上がって、グループ全体としてしっかりした歌の基盤が出来始めた証拠なのかな?それによって、テゴをメインから外すバリエーションを増やしても問題ないっていう判断なのかなっていう、15周年にあたって、成長すら感じる。

そんなテゴのハモも、メインを歌うメンバーによって上下ハモが違うという綿密さ‼︎

コヤマスには上ハモで、シゲには下ハモっていう‼︎ 一番綺麗に聞こえる音を採用したのか、敢えてバラけさせて変化を組み込んだのか… どちらにせよ、これによって曲に更に深みが出てる。

しかも何が面白いって、同じ上ハモなのに、まっすーにハモってる声と、慶ちゃんにハモってる声の聞こえ方が違うの‼︎ まっすーとの方が音域の幅がきっと狭くて、すっと一つの音として耳に入ってくるハモリで、逆に慶ちゃんとの方が音域の幅が広いからこそ、二つのメロディーが綺麗な層を成して耳に入ってくるハモリ。


歌詞も一番に引き続き深い。

まっすーの「解いてもまたきっと結びついてく」という歌詞は、僕らの間の見えない絆は、例え自分から"解いても"、決して消えることはなくまた"結びついてく"。その繋がりは、時に煩わしくて切り離したくなるけど、人は人と関わって生きて行く。一人では生きていけないから、何度解いたって大切な絆はまた自然と結びついていく。


シゲが歌う「守りたいものがあるだけで強くなっていけると思った」は、ゼロを彷彿させる一節で、NEWSの歌割は音声的な面でも、歌詞面でもよく考えられてるなって思わされる。


そして、大好きな慶ちゃんパート。

「笑えるほど愚かで泣けるほど愛しい 終わりなき青春」

まず、歌詞がゼロとミツルという観点でも見れる。ゼロの優しさと知りながら、それでも失ってしまったものの大きさを受け入れられなかった過去の自分。それでも、自分にとってゼロは切り離してしまえる程小さな存在じゃなくて、自分のゼロとの"愛しい"青春は、まだ自分の中に残ってる。="終わりなき青春"。

ここはNEWSにも当てはめられるパート。パンフレットで、「あなたにとってNEWSとは」という質問に対してシゲが「終わりなき青春」と答えてるのを見たとき、この曲が一番に頭に浮かびました。人によって色々だと思うけど、青春って何となくいい思い出に使うことが多いイメージの単語。懐かしくて、輝いてて、時に帰りたくなる時間。シゲにとってNEWSは、そんな輝いてる時間なんだなと思うととてもとても嬉しくなるし、実際青春時代と言えるような歳にNEWSをスタートした彼らにとって、青春とはきっとNEWSのことで、そんな青春時代に始まったNEWSが今もなおこうして色んな荒波を乗り越えながら続いてることを思っての「終わりなき青春」という答えなんじゃないかと邪推して涙腺崩壊します。

味スタの記念コンサートで初めて二番を聞いた時、この"終わりなき青春"というパートがとても印象に残りました。というのも、元々カズヤ編を見てからというもの、一番の同じパートが大好きだったので"過ぎし日は青春"と対になるかのように"終わりなき青春"だったことに涙が出ました。

ましてや、音源の段階で既にここの慶ちゃんの歌い方が神がかってる‼︎ 元々、NEWSの曲が全体的にテゴに合わせて高めだからなのか、慶ちゃんは喉を絞ったような歌い方が多く、それで歌唱が伸びない時もあるんですが、逆にそれが功を奏して、切ない曲を歌わせると最強だと個人的に思ってます。本当に切なく歌える人。そんな慶ちゃんが、音源にも関わらず、本当にこの"終わりなき青春"を胸が締め付けられるくらい切なく歌ってて、本当に大好きパートなんです。分かるかなー。"青春"の入りの"せ"の若干の掠れ具合と"ん"の"ng"って表記出来そうな余韻… ここの慶ちゃん素晴らしい。というか、ここ数ヶ月で慶ちゃんのお歌が目覚ましく成長してるように感じます。

二番だけでも永遠と語れそう(笑)


落ちサビ手前のコヤシゲパート

ここで少し曲調が変わって、ラップとまではいかないけど、若干のラップ調が混ざってスピードダウンすることで、落ちサビへの緩急がはっきり現れて、落ちサビが倍にぐっとくる。だから、サビ前にあれだけ苦しい歌声を入れてきた慶ちゃんも、シゲも、二人とも冷静に単調に歌ってる。

でも、単調に歌ってるのにその歌詞は深くて熱くて… MVの電飾という絆に繋がれた四人の姿を映し出す序章を描き出す。

"熱を帯びて強く結びついた絆"まさに熱を帯びた電飾に絡め取られて、強く強く結びついた絆。"信じてたいんだ 光見えない未来を"そんな光見えない未来を照らし出す、絆という自分を取り囲む光。


そして助走をつけて踏み出した先にある落ちサビ。

音源は力加減が絶妙で、音楽としても聴きやすく、でもしっかり気持ちも伝わるレベルで抑えてて、"「生きろ」"の"いき"の部分の声がとても好きで綺麗だと思うんだけど、味スタのコンサートは本当に泣かされた。むしろ今回このパートは音源がパーフェクトに加減されてるので、あの時の"「生きろ」"というテゴの叫びは、音楽的に綺麗でも何でもなかったんだろうけど、その泥臭い叫びにこそ、この歌の本当の意味が詰まってたし、"生きる"というのは決して心臓が動いてるとか、息をしてるとか、そういうことだけの話じゃなくて、人と出会ったり別れたり、辛いこと嬉しいこと楽しいこと悲しいこと、色んなことを経験して、その身で心で感じて、時に進んだり下がったり、そうやって自分の生きる意味を探しながら人生を歩む、色んな深い意味が籠っていて、あの時のテゴの叫びは間違いなく、自分にも歌の先にいる私達ファンにも"「生きろ」"って叫んでた。

そこに続く、まっすーの優しいけど力強い歌声が更に涙を誘う。


そして、ラスト。

その命"燃え尽きる"その時まで、"仲間の絆を道しるべに"長い長い人生を"何万回 転んだって もう一回 踏ん張って また 歩き出す"



うん、名曲。

シングル曲では、1.2を争う。

また一つ素敵な曲との出逢いに感謝…


本当はシングル収録曲全部纏めて一つの記事にしようと思ってたけど、思ったより「生きろ」を語りすぎたので分けます(笑)